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平成29年度の活動報告
 平成29年度定例研究集会を開催しました

 2018年2月24・25日の2日間、纒向学研究センターにおいて平成29年度定例研究集会を開催しました。
 この研究集会は、纒向学研究センターの共同研究員や関連する研究者をお呼びして纒向遺跡にかかわる研究報告をおこなうものです。
 1日目は纒向遺跡出土の様々な遺物の放射性炭素年代測定法を用いた測定成果について、名古屋大学名誉教授の中村俊夫氏や、当センター共同研究員で奈良県立橿原考古学研究所所員の奥山誠義氏に報告をしていただき、議論をおこないました。討議では特に測定成果の読み取り方や測定法自体の誤差、確率といった点について議論が集中しました。
 2日目は午前中に大阪経済法科大学客員教授の前田晴人氏から「「大市」の首長会同と女王卑弥呼の「共立」」と題して報告をいただきました。「共立」の実態や文献に記されなかったその内容を推定するもので、討論では考古資料と文献資料の突合せの方法論や世襲制と女王との関係などで議論が交わされました。午後には当センター研究員の森暢郎と奈良文化財研究所の山崎健氏より纒向遺跡辻地区で出土した卜骨などの動物遺存体についての報告がおこなわれました。理化学的な手法も取り入れた最先端の研究も報告され、活発な議論がおこなわれました。

定例研究集会

発表される中村先生

定例研究集会

発表される奥山先生


定例研究集会

発表される前田先生

定例研究集会

発表される山崎先生


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 纒向遺跡第194次調査(茶ノ木塚古墳第2次)現地説明会が開催されました

 2018年1月29日(月)に、茶ノ木塚古墳第2次調査の現地説明会を、古墳の所在地である箸中区の皆さまを対象として開催しました。当日は風が強く寒さの厳しい中でしたが、約40名の方が現地へお越し下さいました。
 茶ノ木塚古墳は、大字箸中一帯に築造された纒向古墳群に属しており、周辺にはホケノ山古墳をはじめ堂ノ後古墳や北口塚古墳といった古墳が築造されています。古墳は現状では高さ約2m、直径約20mの不整形な高まりが残るだけですが、過去の調査では、天理大学歴史研究会による墳丘測量と地中レーダー探査がおこなわれ、直径約28mの円墳に復元されています。また平成28年度に実施された第1次調査では、墳丘裾と周濠を確認したほか、周濠内から埴輪が出土しており、古墳の規模や築造された時期を推定する材料を得ることが出来ました。
 今回の調査でも引き続き古墳の規模や形態、築造時期といった基礎的な情報を得ることを目的として調査をおこないました。それにより、墳丘南側の調査区では古墳の周濠や埴輪が出土しました。また墳丘上の調査区では、古墳の盛土の様子を確認することが出来ました。昨年度の調査成果と合わせると、茶ノ木塚古墳は直径約35m、周濠幅7m以上の円墳となる可能性が高まり、埴輪の特徴から古墳の築造された時期は、5世紀後半頃と考えられるようになりました。
 説明会にご来場下さった皆さま、本当にありがとうございました。

現地説明会の資料ダウンロードはコチラ


茶ノ木現説

地元の皆さまにお集まりいただきました

茶ノ木現説

説明会のようす


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 東京、日本橋にある奈良まほろば館にてイベントを開催しました

 天理市と桜井市、そして磯城郡が共同で古代ヤマト地域の見どころの展示・PRを行うイベント「ヤマトの古墳と遺跡〜ヤマトの源流を考える〜」が東京日本橋にある奈良まほろば館において8月3日(木)〜15日(火)の期間中開催されました。
 このイベント会期中の8月5日(土)・6日(日)の2日間は、ウィークエンドスペシャルとして講演会や勾玉づくりイベントを行い、当研究センターからは福辻所員が参加しました。
 2日間で280名の方にご来場いただいた講演では、唐古・鍵遺跡、纒向遺跡そして大和古墳群の調査成果を発掘調査を担当した各市町の職員が解説し、纒向遺跡・箸墓古墳の調査に関する内容を福辻所員が担当しました。また、ワークショップで行われた勾玉づくりも約100名にご参加いただき、親子連れや外国人観光客の方などで賑わいました。
 ご参加、ご協力いただきました皆さん、本当にありがとうございました。

まほろばイベント

講演をおこなう福辻所員

まほろばイベント

ワークショップのようす


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 第10回纒向学セミナーを開催しました

 2018年1月27日(土)に第10回纒向学セミナー「倭女王卑弥呼の外交政策―景初三年六月の遣使をめぐって―」を開催いたしました。当日は寒空にも関わらず約280名の方にお越しいただきました。
 今回は堺女子短期大学名誉学長・名誉教授の塚口義信先生をお招きして上記ご演題でご講演をいただき、その後に寺沢薫当研究センター所長との対談を行いました。
 塚口先生は現在に伝わるいわゆる「魏志倭人伝」は執筆された当時の原本ではなく、中国宋の時代に印刷された本が現存最古のものであることを紹介された上で、「魏志倭人伝」に記載される景初二年(238年)の卑弥呼の魏への遣使が、景初三年(239年)の誤写である可能性を論証されました。そのうえで景初三年の遣使目的がどのようなものであったのかを推定し、なぜ多くの下賜品が卑弥呼に下されたのか、銅鏡百枚の内容はどのようなものであったのかについて見解を述べられました。
 対談では景初三年である場合と二年である場合の違いや、卑弥呼がどのような意図をもって魏に遣使したのかといった点について議論が交わされました。
 セミナーにご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

纒向学セミナー

講演される塚口先生

纒向学セミナー

対談のようす


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 纒向遺跡第193次調査 現地説明会を開催しました

 2017年11月11日(土)に、纒向遺跡第193次調査の現地説明会を開催しました。当日は雨の心配もあり、風が強く肌寒い中でしたが、約700人の方が現地へお越し下さいました。
 今回の調査地は旧纒向小学校の跡地であり、昭和54年から62年にかけて発掘調査が行われました。その結果、纒向遺跡唯一の前方後方墳であるメクリ1号墳など複数の墳墓のほか、祭祀土坑や掘立柱建物など多くの遺構が見つかっており、調査地の大半は平成25年に史跡に指定されました。この範囲において今後史跡整備・ガイダンス施設の建設などを推進していくにあたり、遺構の残存状況の確認を目的として発掘調査を行いました。
 今回の調査では、調査区が大きく2つあり、ガイダンス施設建設予定地の1区では新たに3世紀前半から後半頃の方形周溝墓が3基見つかったほか、3世紀前半から中頃の溝SD-1002などの遺構が確認されました。メクリ1号墳東側周濠にあたる2・3区では、残存状況が悪いこともあり、確実に周濠をとらえることはできませんでしたが、周濠埋積土の可能性のある土層を検出しました。
 これまでの調査結果も含め、メクリ1号墳の周辺には少なくとも6基の方形周溝墓が存在することが確認され、メクリ1号墳の築造と相前後する時期に、周辺で小規模な墳墓が築造されていることが今回の調査でより明確となりました。
 ご来場下さった皆さん、本当にありがとうございました。

現地説明会の資料ダウンロードはコチラ


纒向現説

解説に聞き入る来場者のみなさん

纒向現説

出土遺物の展示を行いました


纒向現説

発掘調査現場のようす(1区)

纒向現説

発掘調査現場のようす(2・3区)


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 桜井市纒向学研究センター東京フォーラムY
 『「卑弥呼」発見! 親魏倭王卑弥呼に制詔す―卑弥呼の外交―』を開催しました

 2017年10月29日(日)に東京都千代田区有楽町のよみうりホールにおきまして、東京フォーラムY『「卑弥呼」発見!』を桜井市の主催、読売新聞社・奈良県ビジターズビューロー・歴史街道推進協議会の後援により開催し、約600人の方々にご来場いただきました。
 一昨年度から引き続き、『魏志倭人伝』に記された女王卑弥呼に関する記述からその人物像に迫る内容で開催し、今回は「親魏倭王卑弥呼に制詔す―卑弥呼の外交―」と題し、卑弥呼の外交手腕と当時の国際政治体制について考古学や古代史をご専門とされる先生方を講師としてお招きし、ご講演いただいた後、寺沢所長の司会・進行によるシンポジウムを行いました。
 午前の部では、まず日本考古学協会会員で俳優の苅谷俊介先生より「卑弥呼の外交―男弟の役割―」、続いて國學院大學客員教授の柳田康雄先生より「卑弥呼以前の伊都国の外交」と題したご講演をいただきました。午後の部では大阪大学大学院教授の福永伸哉先生より「卑弥呼への回賜の品々とその行方」、徳島大学名誉教授の東潮先生より「卑弥呼と韓の辰王、燕の公孫淵」と題したご講演をいただきました。
 シンポジウムでは、鉄製品や銅鏡、金印など卑弥呼への回賜品の話題を中心に「親魏倭王」卑弥呼の外交政策や倭国と東アジア諸国との政治的な関係について白熱した議論が交わされました。
 次回は、来年秋ごろの開催を予定しています。台風接近に伴い足元の悪い中ご参加下さった皆様、本当にありがとうございました。

東京フォーラムY

たくさんの方々がご来場下さいました

東京フォーラムY

講演される苅谷先生


東京フォーラムY

講演される柳田先生

東京フォーラムY

講演される福永先生


東京フォーラムY

講演される東先生

東京フォーラムY

シンポジウムのようす


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 平成29年度 第3回纒向考古楽講座を開催しました。

 2017年10月14日(土)に、今年度第3回目の纒向考古楽講座を開催しました。第3回の講座は【古代の技術を体験しよう!】というテーマで行いました。今回は14名の方がご参加くださいました。
 参加者の皆さんには、纒向遺跡でも花粉が見つかり話題となったベニバナを利用して、紅花染めの体験をしてもらいました。また、実践だけでなく、紅花の知識や染色の歴史などについても中屋所員の解説で学びました。
 今回の講座では、紅花で布を染め、古代の赤色を再現してもらうことを目標に実習を行いました。紅花染めは染色液を作る前処理がうまくできているかどうかできれいな赤色が出るか決まるため、皆さん自分の布がちゃんと染まるのかドキドキしながら行っていました。また、全ての布が同じ色調に染まらないところも草木染めの醍醐味であり、参加者の皆さん同士でお互いの染めた布を見せ合い紅花染めの楽しさを実感されている様子でした。
 今年度の考古楽講座は、これまでとは少し切り口を変えて考古学と関連する自然科学的な部分にスポットを当て、特に纒向遺跡の自然環境を大きなテーマとして計3回開催し、無事全講座を終えることができました。参加者の皆さん本当にありがとうございました。

纒向考古楽講座

班ごとに分かれて実習を行いました

纒向考古楽講座

紅花を用いた染色液作りの様子


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 平成29年度 第2回纒向考古楽講座を開催しました。

 2017年9月23日(土)に、今年度第2回目の纒向考古楽講座を開催しました。第2回の講座は【纒向遺跡を歩いてみよう!】というテーマでした。秋晴れとまでは言えない曇り空でしたが、快適な環境の元、講座を開催することができました。
 今回は15名の方々がご参加くださり、皆さんと纒向遺跡を徒歩でめぐりました。今回は纒向遺跡の環境を見ることをテーマに当研究センター所員の説明を交えながら散策を行いました。纒向遺跡が当時どのような環境であったのかは、地面を掘り返して確認するしかないと思ってしまいがちですが、現在残されている地形の起伏の様子などからもわかるということを実際に体感してもらいました。遺跡が扇状地の地形を活かして作られていたことや旧河川の流れなどがわかることに皆さん関心している様子でした。
 今回の講座では、全7問のクイズを用意してあったこともあり、各地で所員が行う説明を熱心に聞いておられ、また説明を聞いた後には参加者の皆さんから鋭い質問が寄せられ白熱した議論を交わす様子も見られました。3時間という長時間の散策でしたが、皆さん疲れを感じさせることなく最後まで楽しく遺跡をめぐることができました。ご参加いただいた皆さん本当にありがとうございました。
 次回(第3回)は【古代の技術を体験しよう!】です。考古楽講座では初めての試みとなる古代の染色技術体験として紅花染めを行います。ご期待ください。

纒向考古楽講座

発掘調査中の現場を見学しました

纒向考古楽講座

纒向遺跡の主要な古墳の見学を行いました


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 平成29年度 第1回纒向考古楽講座を開催しました。

 2017年9月2日(土)に、今年度第1回目の纒向考古楽講座を開催しました。 この講座は考古学初心者の方でも理解しやすい入門編の講座で、座学と実習を織り交ぜた内容となっています。今回は19名の方々がご参加くださいました。
 第1回の講座では【よくわかる「考古学」「纒向遺跡」】をテーマに、まず森所員から考古学の基礎や纒向遺跡の意義についてレクチャーを受けました。さらに中屋所員から、考古学と自然科学の関係性についてのレクチャーがあり、今回は環境考古学について詳しく学びました。
 その後は実践編として、参加者の皆さんには班に分かれてもらい、レクチャーで学んだ考古学と環境考古学の2つの議題について検討してもらいました。【Q1 土器がどんなふうに使われたのか推理しよう!】【Q2 花粉から纒向遺跡の環境を考えてみよう!】
 土器に関する実習では、実際に纒向遺跡から出土した本物の土器が目の前にあることもあり、皆さん積極的に自分の意見を述べられ白熱した話し合いがそれぞれの班で行われていました。環境復元に関する実習では、普段見たことのない花粉を使っての実習であったため、皆さん最初は苦戦しておられましたが、最後には班内で纒向遺跡の環境について意見を交わす様子も見られました。
 どちらの内容も皆さん真剣に取り組んでいただき、充実した講座を開催することができました。ご参加いただいた皆さん本当にありがとうございました。
 次回(第2回)は【纒向遺跡を歩いてみよう!】です。ご期待ください。

纒向考古楽講座

考古学の基礎を学びました

纒向考古楽講座

班ごとに実習を行いました


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 第9回纒向学セミナーを開催しました

 2017年7月15日(土)に、第9回纒向学セミナー「前方後円墳の築造と葬送儀礼」を桜井市立図書館にて開催いたしました。当日は天候にも恵まれ、約280名の方にお越しいただきました。
 今回は、奈良大学教授で当研究センター共同研究員の小山田宏一先生をお招きし、標記の題でご講演いただいた後に、寺沢薫 当研究センター所長との対談を行いました。
 小山田先生は、土の構造や安定した斜面を作る技術など古墳築造の基礎的な説明から始まり、前期古墳の盛土の構造や、竪穴式石槨の築造順序について弥生墳墓と比較しながら述べられ、箸墓古墳の築造順序の復元に関しても言及されました。さらに、弥生時代と古墳時代の葬送儀礼の違いや東アジアの葬送儀礼の特徴について鏡の取り扱い方を中心に解説していただきました。
 対談では、東アジアにおける古墳築造方法、構築墓壙の成立時期や製作技術について双方の意見を交換し、また葬送儀礼における鏡の破砕行為がなぜ死者の蘇生につながるのかについて白熱した議論が交わされました。
 セミナーにご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

纒向学セミナー

講演される小山田先生

纒向学セミナー

対談のようす


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